【クリアレビュー】FF16

FF16のクリアレビューとなります。(プレイ時間:55時間)

賛否両論で極端な意見が多い本作ですが、私は楽しめました。あえて神ゲーという表現は使いませんが、発売日に購入して、熱さそのままにプレイしてよかったと思えました。

 

安心して見られるストーリー

メインストーリーについては、特に大きな破綻や稚拙過ぎる展開もなく、一貫してその幹はしっかりしていたと思います。

ただ、発売前のハードルが高すぎたのか、結構批判もあるみたいですね。

本作はプレイが大きく進行→拠点での小休止が繰り返されるストーリーテリングになっているため(良くも悪くもジェットコースターの構成)、少なからずテンポの悪さは感じる場面はありました。なので、いっその事ノンストップ展開の連続だった方が良かったかなとは少し思いました。ただ外連味たっぷりの召喚獣合戦はいわずもがな、要所要所でしっかり盛り上げてくれるので、エンディングまでプレイした時、確かな満足感を得られる出来でした。

サブクエストは前半あまり面白いものがないので、後半スルーしてしまう人も一定数いるかと思います。ただ、特にラスト付近に出るサブクエはメインに入れろよと思うくらい重要なものも多いので、この辺りちょっともったいない塩梅になってしまっていると感じました。

 

FF初のアクションRPG(ゲーム性について)

本作はFFで初めてアクションRPGというジャンルで発売されたタイトルですが、正直RPG要素はかなり薄めで、ほぼアクションゲームといってもいいくらいのゲームです。

アクションの出来自体は非常によく、どの層の人が触っても一定以上の気持ちよさが得られる、ツボを押さえた塩梅になっているかと。また、回避やカウンターの受付時間が一般的なアクションゲームと比べかなり長めに取られている点も好感触でした。これにより、アクションとして硬派になり過ぎず、戦闘のテンポ感(挙動のアグレッシブさ)を損なうことなく、ゲームとしての間口を広げていると思います。

個人的にデビルメイクライ(DMC)がRPGになったらどんなゲームになるのだろうと考えたことがあったのですが、たぶん本作がそれに近いのでしょうね。FFらしいかどうこうというより、ゲームとして今まであまりやったことがない不思議なプレイ感覚でした。

ただそのある種奇妙なゲーム性の配分が面白さとして完全にかみ合っているかというと若干のアンバランスさも感じました。というのもアクションゲームとして見るとRPG的なストーリーテリング(テンポ感)が鈍重さに繋がっており、RPGとして見るにはアクションゲーム寄りの特性(操作性に特化し、極力それ以外の要素がそぎ落とされたシンプルな構造)から自由度の希薄さが目立ってしまい・・。アクションRPGにおいて、ゲーム性の配分は難しく奥深いものなのだと再認識させられました。(DMCといった非常にアクション性が高いゲームが、あえてRPG的な文脈を避ける理由が少しわかった気がします)

あと、これは個人的不満なのですが、敵を倒したり、クエストをクリアするたびにリザルト画面のようなものが出て、その度ゲームがぶつ切りになるのがRPGとして物語に入り込むのに非常にノイズになってしまい、テンポを悪くしている様にも思いました(スコアが出るわけでも無いので、アクションゲームとしての側面から見ても必要ないように思いました)。

 

総評

あえて色々言いたくなるほど本作には、何かこう熱のようなものが宿っているのを感じます。良ゲーと言うと凡ゲーともとられてしまいそうですが決して凡ゲーではありません。なんだかアンバランスなところも愛嬌のように感じ、エンドロールを見ている時、確かにFFをプレイしたという満足感をしっかり感じさせてくれた本作に拍手を。